農地の買取と転用手順を解説

2026年09月22日

農地の買取と転用手順を解説

「相続した農地を手放したいが、どこから手をつければいいかわからない」というご相談が増えています。農地の売却・買取には、一般の不動産とは異なる法的手続きが必要です。

 

 

この記事では、農地転用許可と現況非農地証明という2つのルートを軸に、買取完了までの実務フロー・期間・費用を売主目線で具体的に解説します。

 

 

札幌近郊の農地事情にも触れながら、お客様が最初に何をすべきか判断できる内容にまとめました。

 

 

 

農地の売却・買取で最初に確認すべき2つの分岐点

 

農地を手放す際、最初に確認すべきは「転用許可が必要かどうか」です。この判断で、手続きの流れ・期間・費用が大きく変わります。

 

 

 

転用許可が必要なケース

 

登記地目が「田」または「畑」の場合、農地法に基づく農地転用許可が必要です。農業委員会への申請を経て、都道府県知事(または市町村長)の許可を得る流れになります。

 

 

現在も農地として耕作されている土地や、耕作をやめて間もない土地はこちらのルートに該当します。許可取得には一般的に1〜3ヶ月程度かかります。

 

 

 

現況非農地証明で許可不要なケース

 

一方、登記上は「田」「畑」であっても、長年にわたり耕作されておらず、農地としての現況を失っている土地があります。この場合、農業委員会から「現況非農地証明」を取得することで、転用許可なしに売買が可能になるケースがあります。

 

 

多くの場合、おおむね10年以上耕作放棄され、原野化・宅地化している状態が条件の目安です。北海道では広大な遊休農地が多く、このルートが活用できる場面が少なくありません。

 

 

なお、登記地目が「山林」「原野」「雑種地」であれば農地法の対象外のため、農地転用許可は不要です。この場合に必要なのは地目変更登記であり、農地転用許可とは異なる手続きです。

 

 

 

農地転用許可を経て買取に出す手順と期間

 

転用許可が必要なケースの具体的な流れを、ステップごとに整理します。

 

 

 

許可申請から買取完了までのステップ

事前相談:農業委員会に転用の可否を確認する(1〜2週間)

買取業者への査定依頼:転用後の想定価格で査定を受ける

転用許可申請:農業委員会へ必要書類を提出する(毎月締切あり)

許可取得:申請から許可まで一般的に1〜3ヶ月程度

売買契約・決済:許可取得後、買取業者との契約・引き渡しへ進む

全体の期間としては、事前相談から買取完了までおおむね3〜6ヶ月が目安です。ただし、農業委員会の審査スケジュールや書類の不備によって前後します。

 

 

 

費用の目安と売主側の負担

行政書士報酬:転用許可申請の代行で8万〜15万円程度が相場

測量費用:境界確定が必要な場合、30万〜50万円程度

登記費用:地目変更登記で3万〜5万円程度

これらの費用を売主が負担するのか、買取業者が負担するのかは業者によって異なります。当社では、物件種別ごとの買取メニューをご用意しており、農地の状況に応じた対応が可能です。

 

 

 

現況非農地証明を活用した買取スキームの流れ

 

競合記事ではほとんど触れられていないルートですが、条件に合えば転用許可より手続きが簡易で、期間も短縮できます。

 

 

 

現況非農地証明の取得条件と手続き

 

現況非農地証明とは、登記上は農地でも実態として農地の機能を失っている土地について、農業委員会が「農地ではない」と証明する制度です。

 

 

取得の条件は地域によって異なりますが、一般的には以下の要件が求められます。

長期間の非耕作:おおむね10年以上、農地として使用されていないこと

原状回復の困難性:樹木が繁茂している、建物が建っているなど、農地への復元が困難な状態であること

周辺環境:周囲が宅地化・市街地化しているなど、農地としての利用が見込めない状況

証明の取得には、農業委員会への申請から1〜2ヶ月程度かかるのが一般的です。転用許可と比べると、審査の手続きが簡易な傾向があります。

 

 

 

証明取得後の買取までの進め方

 

現況非農地証明を取得した後は、地目変更登記を行い、通常の不動産と同じ流れで買取に進めます。

 

 

証明取得から買取完了まで1〜2ヶ月程度で進むケースも多く、転用許可ルートと比べて全体で2〜3ヶ月ほど短縮できる可能性があります。

 

 

札幌近郊では、市街地エリアの拡大にともない耕作放棄された農地が増えており、このスキームが活用できる土地は少なくありません。

 

 

 

買取業者が転用手続きを代行するパターンとは

 

農地の転用手続きは専門的で手間がかかるため、買取業者が手続きを代行するパターンがあります。売主の負担を大幅に軽減できる方法です。

 

 

 

売主が手続きする場合との負担比較

売主が自分で手続きする場合:行政書士の手配、農業委員会との調整、書類準備をすべて自分で行う。費用は自己負担で8万〜15万円程度

買取業者が代行する場合:業者が提携する行政書士を手配し、申請手続きを一括で進める。費用を業者が負担するケースもある

当社のような直接買取の業者であれば、買主を探す仲介手数料(売買価格の3%+6万円)も不要です。手続きの手間・費用・時間の3つを同時に削減できる点が、買取業者を活用する大きなメリットです。

 

 

 

代行対応できる業者の選び方

農地転用の実績:過去に農地案件を扱った経験があるか

行政書士との連携体制:許可申請をスムーズに進められるか

費用負担の範囲:転用費用を業者側で負担してくれるか

スピード対応:査定から契約までの期間が明確か

当社の買取実績・対応体制はこちらからご確認いただけます。道内の農地買取にも対応しております。

 

 

 

相続農地・遊休農地を手放す3つの出口戦略

 

相続した農地や、使う予定のない遊休農地を手放す方法は主に3つあります。状況に応じた最適ルートを選ぶことが重要です。

 

 

 

転用→売却・非農地証明→買取・農業委員会あっせんの比較

転用許可→仲介売却:転用許可を取得後、不動産会社に仲介を依頼して買主を探す方法。市場価格での売却が期待できるが、買主が見つかるまで時間がかかる場合がある。期間は6ヶ月〜1年以上

非農地証明→買取業者への直接売却:現況非農地証明を取得し、買取業者に直接売却する方法。買主を探す手間がなく、最短2〜3ヶ月程度で現金化が可能。スピードと確実性を重視する方に適している

農業委員会のあっせん制度:農業委員会が農業をしたい方とのマッチングを行う制度。農地のまま譲渡できるが、買い手が見つかりにくく、価格も低くなる傾向がある

 

 

 

状況別のおすすめルート

 

「とにかく早く手放したい」という場合は、買取業者への直接売却が有力です。仲介と違い、買主探しの期間が不要で、即金での対応も可能です。

 

 

「できるだけ高く売りたい」場合は、転用許可を取得して仲介売却を検討する価値があります。ただし、札幌近郊であっても農地の買い手は限られるため、長期化するリスクも考慮が必要です。

 

 

2026年現在、北海道では相続を機に農地を手放したいという相談が増加傾向にあり、出口戦略を早めに整理しておくことが大切です。

 

 

 

札幌近郊の農地買取事情と北海道ならではの注意点

 

北海道、特に札幌近郊には独特の農地事情があります。道内で農地の買取を検討する際に押さえておきたいポイントを整理します。

 

 

 

石狩平野の遊休農地と転用需要の傾向

 

石狩平野を中心とした札幌近郊エリアでは、高齢化や後継者不足による遊休農地の増加が続いています。2026年時点で、北海道全体の耕作放棄地面積は約3万ヘクタールにのぼるとされています。

 

 

一方で、札幌市街地エリアの拡大やJR沿線・地下鉄沿線の開発にともない、農地転用の需要は増加傾向にあります。住宅地や商業地への転用が見込める立地であれば、買取価格も高くなる傾向があります。

 

 

 

北海道の農業委員会の対応と地域特性

 

北海道の農業委員会は、管轄面積が広いため申請件数も多く、審査に時間がかかる場合があります。申請の締切日は毎月決まっており、1日でも遅れると翌月回しになるため注意が必要です。

 

 

また、北海道特有の事情として、1筆あたりの面積が大きい農地が多い点があります。本州と比べて1区画が数千坪規模になることも珍しくなく、測量費用が高額になるケースもあります。

 

 

こうした地域特性を理解している地元の買取業者に相談することで、手続きをスムーズに進められます。

 

 

 

農地の買取で失敗しないためのチェックリスト

 

農地の不動産買取を検討する際に、事前に確認しておきたいポイントをまとめました。転用手順で迷わないために、以下の5項目をチェックしてください。

 

 

 

事前確認すべき5つの項目

登記地目の確認:登記簿で地目が「田」「畑」なのか、「山林」「原野」「雑種地」なのかを確認する。農地法の適用有無が変わる

現況の確認:現在、農地として使われているか。長年放置されている場合は現況非農地証明の可能性を検討する

市街化区域か調整区域かの確認:市街化区域内の農地は転用許可のハードルが比較的低い。市街化調整区域では制限が厳しくなる

相続登記の完了確認:2024年4月から相続登記が義務化されており、未登記の場合は先に相続登記を済ませる必要がある

買取業者の農地対応実績:農地の取り扱い経験がある業者を選ぶことで、手続きの遅延やトラブルを防げる

上記を事前に整理しておくことで、買取業者への相談がスムーズに進みます。農地の無料査定・ご相談はこちらからお気軽にお問い合わせください。

 

 

 

よくある質問

 

 

 

Q: 農地のまま買取してもらうことは可能ですか?

 

A: 原則として、農地のままでは一般の不動産業者による買取はできません。農地法により、農地の売買には農業委員会の許可が必要なためです。

 

 

ただし、買取業者が転用手続きを代行するパターンや、現況非農地証明を活用して農地法の制限を外す方法があります。当社でも状況に応じた対応が可能ですので、まずはご相談ください。

 

 

 

Q: 現況非農地証明とは何ですか?通常の転用許可とどう違いますか?

 

A: 現況非農地証明とは、登記上は農地(田・畑)でも、実際には長年耕作されておらず農地としての実態がない土地について、農業委員会が発行する証明書です。

 

 

通常の農地転用許可が「農地を別の用途に変える許可」であるのに対し、現況非農地証明は「すでに農地ではない状態の確認」です。一般的に手続きが簡易で、期間も1〜2ヶ月程度と短い傾向があります。

 

 

 

Q: 相続した農地を使う予定がないのですが、売却と買取どちらが早く手放せますか?

 

A: 早く手放したい場合は、買取業者への直接売却が有利です。仲介売却では買主探しに数ヶ月〜1年以上かかることがありますが、買取なら買主を探す必要がありません。

 

 

転用手続きを含めても最短2〜3ヶ月程度で現金化できるケースがあります。即金対応が可能な業者であれば、資金化のスピードはさらに早まります。

 

 

 

Q: 農地転用の申請から買取完了まで、全体でどのくらいかかりますか?

 

A: 転用許可ルートの場合、事前相談から買取完了までおおむね3〜6ヶ月が目安です。農業委員会の審査スケジュールや書類の準備状況によって前後します。

 

 

現況非農地証明ルートであれば、証明取得から買取完了まで1〜2ヶ月程度に短縮できる場合があります。どちらのルートが適しているかは、土地の状況によって異なりますので、早めにご相談いただくことをおすすめします。

 

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