不動産売却の譲渡所得と確定申告のやり方
2026年08月30日
不動産売却の譲渡所得と確定申告のやり方
不動産を売却すると、翌年に確定申告が必要になるケースがあります。特に譲渡所得の計算方法や申告手順は複雑で、多くのお客様が「何から始めればいいのかわからない」とお悩みです。
この記事では、不動産売却における譲渡所得の計算方法から、e-Taxを使った確定申告のやり方まで、買取専門会社の視点で具体的に解説します。札幌で不動産を売却されたお客様に向けて、地域の税務署情報や無料相談会の案内もまとめました。
不動産売却における譲渡所得の基本と計算方法
不動産売却で利益が出た場合、その利益を「譲渡所得」と呼びます。まずは計算の仕組みを正しく理解しましょう。
譲渡所得の計算式と各項目の意味
譲渡所得は以下の計算式で求めます。
譲渡所得 = 譲渡価格 − (取得費 + 譲渡費用) − 特別控除
譲渡価格:実際に売却した金額(買取の場合は買取価格がそのまま該当)
取得費:購入時の価格に加え、購入時の仲介手数料・登録免許税・不動産取得税なども含む
譲渡費用:売却にかかった費用(仲介手数料・測量費・印紙税など)
特別控除:マイホーム売却時の3,000万円控除など、条件を満たせば適用可能
建物部分については、購入価格から減価償却費を差し引いた金額が取得費となります。木造住宅の場合、耐用年数は33年(非事業用)で計算するのが一般的です。
取得費が不明な場合の概算取得費(5%ルール)の注意点
相続した実家など、購入時の契約書が見つからないケースは少なくありません。この場合、譲渡価格の5%を取得費として計算する「概算取得費」が適用されます。
たとえば、札幌市内の戸建てを2,000万円で売却した場合、概算取得費はわずか100万円です。実際の購入価格が1,500万円だったとしても、証明する書類がなければ100万円しか取得費に計上できません。
その結果、譲渡所得が大幅に膨らみ、税負担が重くなるリスクがあります。売却前に購入時の書類を探しておくことが非常に重要です。
買取売却と仲介売却で異なる譲渡所得計算のポイント
不動産の売却方法によって、譲渡所得の計算結果は変わります。買取と仲介の違いを具体的なシミュレーションで見てみましょう。
買取価格=譲渡価格となる場合の計算シミュレーション
買取の場合、不動産会社が直接買い取るため、仲介手数料が発生しません。以下の例で比較してみます。
【条件】札幌市街地エリアのマンション、取得費1,200万円、所有期間8年(長期譲渡所得)
買取の場合:譲渡価格1,800万円 − 取得費1,200万円 − 譲渡費用(印紙税1万円)= 譲渡所得599万円
仲介の場合:譲渡価格2,000万円 − 取得費1,200万円 − 譲渡費用(仲介手数料72.6万円+印紙税1万円)= 譲渡所得726.4万円
仲介のほうが売却額は高くても、仲介手数料が譲渡費用に含まれる一方で、譲渡所得も大きくなり税額が増える場合があります。手取り額の最終比較が大切です。
仲介手数料の有無が譲渡費用に与える影響
仲介売却の場合、売却価格×3.3%+6.6万円(税込)の仲介手数料が発生します。2,000万円の売却なら約72.6万円です。
買取であれば仲介手数料はゼロのため、譲渡費用が大幅に圧縮されます。確定申告の計算もシンプルになり、書類準備の負担も軽くなるのが特徴です。
当社では札幌・道内の物件を直接買取しており、最短翌日のスピード査定に対応しています。当社の物件別買取メニューはこちらからご確認ください。
譲渡所得にかかる税金の種類と使える特例・控除
譲渡所得には所得税と住民税がかかります。所有期間によって税率が大きく異なるため、売却のタイミングも重要です。
短期・長期譲渡所得の税率の違い
短期譲渡所得(所有期間5年以下):所得税30.63%+住民税9%=合計約39.63%
長期譲渡所得(所有期間5年超):所得税15.315%+住民税5%=合計約20.315%
所有期間は売却した年の1月1日時点で判定します。「購入日から5年経ったから長期」と勘違いしやすいので注意が必要です。
3,000万円特別控除や買い替え特例の適用条件
マイホームを売却した場合に使える主な特例は以下のとおりです。
3,000万円特別控除:マイホーム売却時に譲渡所得から最大3,000万円を控除。所有期間の制限なし
10年超所有の軽減税率:所有期間10年超のマイホームは6,000万円以下の部分が約14.21%に軽減
買い替え特例:一定条件を満たせば、買い替え先の住宅に課税を繰り延べ可能
3,000万円特別控除と買い替え特例は原則として併用できません。どちらが有利かは、売却益の額と買い替え先の価格によって異なるため、事前にシミュレーションすることをおすすめします。
なお、3,000万円特別控除と10年超所有の軽減税率は併用が可能です。多くの場合、この組み合わせが最も節税効果の高い選択となります。
確定申告の必要書類と準備の手順
不動産売却の確定申告では、通常の所得申告に加えて不動産関連の書類が多数必要です。早めの準備が申告をスムーズに進めるポイントとなります。
売却時に手元に残すべき書類一覧
売買契約書(売却時・購入時の両方)
登記事項証明書(登記簿謄本)
仲介手数料の領収書(仲介売却の場合)
固定資産税の精算書
譲渡費用に該当する各種領収書(測量費・解体費など)
住民票(特別控除を適用する場合)
確定申告書B・譲渡所得の内訳書(税務署またはe-Taxで入手)
書類が見つからない場合の対処法
購入時の契約書を紛失している場合は、以下の方法で取得費を証明できる可能性があります。
当時の不動産会社に契約書の写しを問い合わせる
金融機関のローン契約書から購入価格を推定する
通帳の振込記録を取得費の証拠として提示する
いずれの方法でも証明できない場合は、概算取得費(5%ルール)の適用となります。
買取の場合は仲介手数料の領収書が不要です。仲介売却と比べて必要書類が少なく、確定申告の準備負担が軽いのも買取のメリットといえます。
e-Taxを使った確定申告の入力手順ステップ解説
2026年現在、国税庁のe-Taxを使えば、自宅からオンラインで確定申告が完了します。不動産売却の譲渡所得も画面の指示に沿って入力できます。
e-Tax利用の事前準備とログイン方法
マイナンバーカード方式:マイナンバーカード+ICカードリーダー(またはスマートフォン)で本人認証
ID・パスワード方式:税務署で事前に発行されたIDとパスワードでログイン
初めて利用する場合は、マイナンバーカード方式がおすすめです。マイナポータルとの連携で、医療費や生命保険料などのデータも自動で反映されます。
譲渡所得の入力画面での記入ポイント
e-Taxの「確定申告書等作成コーナー」にアクセスした後、以下の手順で進めます。
「所得税の確定申告書作成」を選択
「分離課税の所得」のうち「土地建物等の譲渡所得」を選ぶ
売却した物件の所在地(例:北海道札幌市)・種類・面積を入力
譲渡価格(買取価格)・取得費・譲渡費用をそれぞれ入力
特別控除を適用する場合は該当する控除を選択
入力内容を確認し、電子送信で申告完了
取得費の欄では、概算取得費(5%)を使うか実額を使うかの選択があります。実額のほうが有利な場合は、根拠書類を手元に用意して正確に入力しましょう。
不動産売却の確定申告のやり方に不安がある場合は、e-Taxの「途中保存」機能を活用すると安心です。入力途中のデータを保存し、後日再開できます。
譲渡損失が出た場合の確定申告メリットと損益通算
不動産の売却で損失が出た場合、確定申告は義務ではありません。しかし、申告することで大きな節税メリットを得られるケースがあります。
譲渡損失の繰越控除で翌年以降の税負担を軽減する方法
マイホームを売却して譲渡損失が発生した場合、一定の要件を満たせば損益通算が可能です。給与所得など他の所得から譲渡損失を差し引くことができます。
さらに、1年で控除しきれなかった損失は、翌年以降最長3年間繰り越して控除できます。
【具体例】札幌の地下鉄沿線のマンションを1,500万円で購入し、1,000万円で買取売却した場合
譲渡損失:約500万円(減価償却後の取得費との差額)
年収600万円のお客様なら、損益通算でその年の所得税・住民税が大幅に軽減
控除しきれない損失は翌年以降に繰越可能
損失が出たからといって確定申告をしないと、この節税メリットを受けられません。「損をしたときこそ申告する」ことが重要です。
当社では、不動産の売却価格や税金についてのご相談も承っております。売却価格のご相談・無料査定はこちらからお気軽にお問い合わせください。
札幌で不動産売却の確定申告をする際の地域情報
札幌で不動産を売却したお客様が確定申告をする際に知っておきたい、地域ならではの情報をまとめました。
管轄税務署の所在地と届出先の確認方法
札幌市内の確定申告は、お住まいの地域によって管轄税務署が異なります。主な税務署は以下のとおりです。
札幌南税務署:JR沿線南側エリアを管轄
札幌北税務署:地下鉄沿線北側エリアを管轄
札幌西税務署:市街地エリア西側を管轄
札幌東税務署:道内主要路線沿いの東側エリアを管轄
管轄の確認は、国税庁のウェブサイトで郵便番号を入力すれば簡単にわかります。e-Taxで申告する場合も、管轄税務署の選択が必要です。
札幌市の無料税務相談会の活用法
札幌市では、例年2月に確定申告の無料相談会が開催されます。不動産の譲渡所得に関する相談にも対応しており、書類の書き方から特例の適用まで税理士に直接質問できます。
2026年も札幌市内の各会場で開催が予定されています。譲渡所得の申告は通常の申告より複雑なため、不安な方は相談会を活用するのがおすすめです。
なお、北海道の不動産では寒冷地仕様の建物が多く、一般的に建築コストが高めです。取得費の計算で減価償却を行う際は、建物の構造や仕様に応じた正確な計算が求められます。
当社は札幌を拠点に、道内全域で不動産の直接買取を行っております。当社の会社概要・実績はこちらからご覧ください。
よくある質問
Q: 不動産を売却して利益が出なかった場合でも確定申告は必要ですか?
A: 利益が出なかった場合、確定申告は義務ではありません。しかし、マイホームの売却で譲渡損失が生じた場合は、確定申告をすることで損益通算や繰越控除の適用を受けられます。
給与所得などから損失を差し引けるため、所得税・住民税の負担を軽減できる可能性があります。損失が出たときこそ申告を検討しましょう。
Q: 相続した実家の取得費がわからない場合、譲渡所得はどう計算しますか?
A: 購入時の契約書などで取得費を証明できない場合、一般的に譲渡価格の5%を取得費とする「概算取得費」が適用されます。
たとえば2,000万円で売却した場合、取得費は100万円となり、譲渡所得が大きくなって税負担が重くなるリスクがあります。売却前に購入時の資料を探すか、金融機関のローン記録などで取得費を証明する方法を検討しましょう。
Q: 不動産売却の確定申告を税理士に依頼した場合の費用相場はいくらですか?
A: 不動産の譲渡所得に関する確定申告を税理士に依頼した場合、一般的な費用相場は5万円〜15万円程度です。物件の数や特例適用の複雑さによって変動します。
費用を抑えたい場合は、e-Taxを利用して自分で申告する方法もあります。札幌市の無料税務相談会で基本的な書き方を教えてもらい、自分で申告するお客様も多くいらっしゃいます。
Q: マイホームの3,000万円特別控除と買い替え特例は併用できますか?
A: 原則として、3,000万円特別控除と買い替え特例は併用できません。どちらか一方を選択して適用する必要があります。
一般的に、譲渡所得が3,000万円以下であれば3,000万円特別控除のほうが有利です。買い替え先の価格が高額で譲渡所得も大きい場合は、買い替え特例で課税を繰り延べるほうが有利になるケースもあります。
札幌の不動産買取、まずは無料査定から
受付時間: 10:00〜18:00(月〜土)
