空き家の行政代執行前にやるべき手続き

2026年08月07日

空き家の行政代執行前にやるべき手続き

「行政代執行」という言葉を目にして、不安を感じていませんか。放置した空き家が特定空家に認定されると、最終的に行政が強制解体し、その費用は所有者に請求されます。

 

 

しかし、代執行に至るまでにはいくつかの段階があり、早期に対処すれば回避できます。この記事では、行政代執行前の手続きを段階別に整理し、札幌で空き家をお持ちの方が取るべき具体的な行動を解説します。

 

 

 

行政代執行とは?空き家所有者が知るべき制度の基本

 

行政代執行の仕組みと費用負担について、まず基本を押さえておきましょう。

 

 

 

空家特措法の仕組みと行政代執行の法的根拠

 

2015年に施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法(空家特措法)」により、自治体は倒壊の危険がある空き家を「特定空家」に認定できるようになりました。特定空家に対しては、助言・指導から始まり、最終的には行政代執行による強制解体が可能です。

 

 

行政代執行の法的根拠は空家特措法第14条に定められています。所有者が命令に従わない場合、自治体が所有者に代わって解体などの措置を行い、その費用を所有者から徴収する制度です。

 

 

2023年の法改正では「管理不全空家」という新しい区分も追加され、特定空家の手前の段階から行政が介入できるようになりました。空き家を放置するリスクは年々高まっています。

 

 

 

代執行にかかる費用の実額相場と所有者負担の根拠

 

行政代執行で解体が行われた場合、所有者が負担する費用の相場は一般的に以下の通りです。

木造住宅の解体費用:150万〜300万円程度(延床面積や立地条件で変動)

行政手数料・事務費:数十万円が加算されるケースが多い

廃棄物処理費:残置物が多い場合はさらに50万〜100万円の上乗せも

自分で解体業者に依頼するよりも割高になる傾向があります。行政は入札で業者を選定するため、所有者が自ら相見積もりを取る場合と比べて2〜3割高くなることも珍しくありません。

 

 

費用を支払えない場合、国税徴収法に準じた滞納処分として財産の差押えが行われる可能性があります。代執行の費用負担は自己破産をしても免責されないケースがあるため、早めの対処が重要です。

 

 

 

代執行までの5段階タイムラインと各段階の対処法

 

行政代執行はある日突然行われるものではありません。段階を踏んで進行するため、各段階での適切な対応が鍵になります。

 

 

 

助言・指導・勧告・命令・代執行の流れを時系列で整理

 

空家特措法に基づく行政の対応は、以下の5段階で進みます。

第1段階:助言:自治体から文書や口頭で改善を促される(法的拘束力なし)

第2段階:指導:より具体的な改善内容と期限が示される(法的拘束力なし)

第3段階:勧告:特定空家に認定後、正式な勧告が出される(固定資産税の住宅用地特例が解除される)

第4段階:命令:勧告に従わない場合、法的拘束力のある命令が出される(違反すると50万円以下の過料)

第5段階:代執行:命令にも従わない場合、行政が強制的に解体を実施する

助言から代執行に至るまでの期間は、一般的に1年〜2年程度です。ただし、倒壊の危険が差し迫っている場合は、より短期間で進行することもあります。

 

 

 

各段階で所有者が取るべき具体的アクション

 

各段階で取れる対処法は異なります。早い段階ほど選択肢が多く、費用面でも有利です。

助言・指導の段階:自主的な修繕や管理の改善を行えば、それ以上進行しない。買取業者への売却を検討する時間的余裕もある

勧告の段階:固定資産税が最大6倍になる前に、売却や解体の決断が必要。この段階でも買取売却は可能

命令の段階:法的義務が発生するため、速やかに解体または売却を進める。過料のリスクもある

代執行の段階:自治体による強制解体が実行される。費用は所有者負担で割高になる

ポイントは、勧告が出る前に動くことです。勧告以降は税負担が増え、時間的な猶予も狭まります。空き家の買取を行政代執行前の手続きとして検討するなら、助言・指導の段階が最も有利です。

 

 

 

特定空家に認定される前に動くべき理由

 

特定空家の認定前に行動することで、税制面で大きなメリットを得られます。

 

 

 

勧告で失う固定資産税の住宅用地特例とは

 

住宅が建っている土地には「住宅用地特例」が適用され、固定資産税が最大6分の1に軽減されています。しかし、特定空家として勧告を受けると、この特例が解除されます。

 

 

たとえば、年間5万円の固定資産税が特例解除により年間30万円に跳ね上がるケースもあります。勧告は所有者にとって非常に大きな経済的インパクトがある手続きです。

 

 

2023年の法改正で新設された「管理不全空家」も、勧告を受けると同様に特例が解除されます。特定空家の手前の段階でも油断はできません。

 

 

 

認定前の売却で特例を維持できるメリット

 

特定空家に認定される前に買取業者へ売却すれば、住宅用地特例が適用されている状態で取引が成立します。つまり、売却年度の固定資産税は軽減されたままで済みます。

 

 

さらに、認定前の空き家は買取価格の面でも有利です。特定空家に認定された物件は、解体費用や行政対応のコストが買取価格から差し引かれるため、認定前と比べて査定額が100万〜200万円以上下がるケースもあります。

 

 

当社でも、行政から助言を受けた段階でご相談いただき、勧告前にスムーズに買取が成立した事例が多数あります。物件別の買取対応についてはこちらをご覧ください。

 

 

 

札幌の空き家が代執行リスクを抱えやすい理由

 

札幌をはじめ北海道の空き家は、本州とは異なるリスク要因を抱えています。

 

 

 

積雪・凍害による倒壊リスクと冬季前の行政指導集中

 

北海道の空き家が特に危険視される理由は、積雪と凍害です。札幌市の年間降雪量は約600cmに達し、管理されていない空き家の屋根には大量の雪が積もります。

 

 

雪の重みによる屋根の崩落や、凍結・融解の繰り返しによる基礎や外壁のひび割れは、道内の空き家に共通する深刻な問題です。こうした劣化は本州の空き家よりも速く進行します。

 

 

そのため、札幌市では毎年9月〜11月に行政指導が集中する傾向があります。冬季の倒壊事故を防ぐため、降雪前に所有者への対応を求めるのです。この時期に助言や指導の通知を受け取る方が増えます。

 

 

 

札幌市の略式代執行の実績と今後の動向

 

札幌市は2024年度に特定空家の略式代執行を実施した実績があります。略式代執行とは、所有者が不明または所在不明の場合に、自治体が独自の判断で解体を行う制度です。

 

 

2026年現在、札幌市内の空き家は増加傾向にあり、市街地エリアや地下鉄沿線でも老朽化した空き家が目立つようになっています。札幌市は空き家対策を強化する方針を示しており、今後さらに行政指導や代執行の件数が増えることが予想されます。

 

 

JR沿線や道内の地方部でも同様の傾向が見られ、北海道全体として空き家問題への行政対応は厳しくなっています。「まだ大丈夫」と考えているうちに通知が届くケースは少なくありません。

 

 

 

行政代執行を回避する3つの具体的手続き

 

代執行を避けるために所有者が取れる選択肢は、大きく3つあります。費用・期間・手間の面から比較します。

 

 

 

自主解体・修繕で行政指導に応える方法

 

行政からの助言や指導に対して、所有者自身が解体や修繕を行う方法です。

自主解体の費用目安:木造住宅で100万〜250万円程度(相見積もりで代執行より安く抑えられる)

修繕の費用目安:部分修繕で30万〜100万円程度(倒壊リスクを解消できる範囲)

所要期間:業者手配から完了まで1〜3か月程度

自主的に対応すれば行政手続きはそこで止まります。ただし、解体後の土地を活用する予定がなければ、解体費用だけが持ち出しになる点は考慮が必要です。

 

 

 

買取業者への売却で管理負担をゼロにする方法

 

空き家を買取業者に売却すれば、所有権が移転するため管理義務そのものがなくなります。空き家の買取は行政代執行前の手続きとして、費用面でも精神面でも負担が少ない方法です。

売却までの期間:買取なら最短で即日査定、1〜2週間で契約・決済が可能

費用負担:仲介手数料が不要な直接買取なら、売主側の持ち出し費用はほぼゼロ

残置物の処理:家財がそのまま残っていても対応できる業者を選べば片付け不要

現金化:解体費用を払うどころか、売却代金を受け取れる

当社では、老朽化した空き家や管理不全の物件でも直接買取に対応しております。解体費用をかけず、最短翌日のスピード査定で売却価格をご確認いただけます。無料査定で売却価格を確認することもできますので、お気軽にご相談ください。

 

 

 

遠方の相続空き家を代執行前に処分する手順

 

相続した札幌の空き家を遠方から管理できず、行政からの通知に困っている方も多くいらっしゃいます。具体的な処分手順を整理します。

 

 

 

相続登記と名義確認の進め方

 

2024年4月から相続登記が義務化されました。相続を知った日から3年以内に登記を行わないと、10万円以下の過料が科される可能性があります。

 

 

空き家を売却するには、まず名義を確認し、相続登記を完了させる必要があります。手順は以下の通りです。

登記事項証明書の取得:法務局のオンラインサービスで遠方からでも取得可能

相続人の確定:戸籍謄本を収集して相続関係を整理する

遺産分割協議:相続人全員で空き家の処分方針を決める

相続登記の申請:司法書士に依頼すれば来札不要で手続きが完了する

登記が未了の状態でも、買取業者に事前相談しておくことで、登記完了後すぐに売却手続きに移れます。

 

 

 

現地に行かずに買取を完了させる流れ

 

当社では、遠方にお住まいのお客様が札幌に来ることなく買取を完了できる仕組みを整えています。

査定:物件情報と写真をオンラインでお送りいただければ、最短即日で概算査定を提示

現地調査:当社スタッフが現地を確認。お客様の立ち会いは不要

契約:郵送またはオンラインでの契約手続きに対応

決済・引き渡し:代金は指定口座へ振込。鍵の郵送で引き渡し完了

残置物の処分や近隣への挨拶なども当社が代行いたします。行政代執行のリスクを抱えたまま放置するよりも、早めにご相談いただくことで選択肢が広がります当社の買取実績・対応エリアはこちらからご確認ください。

 

 

 

よくある質問

 

 

 

Q: 行政代執行の費用は所有者が全額負担するのですか?払えない場合はどうなりますか?

 

A: 行政代執行の費用は、空家特措法第14条第9項に基づき、原則として所有者が全額負担します。木造住宅の場合、解体費用と行政手数料を合わせて200万〜400万円に達することもあります。

 

 

費用を支払えない場合は、国税徴収法に準じた滞納処分として預貯金や不動産などの財産が差し押さえられる可能性があります。分割納付が認められるケースもありますが、自治体の判断によります。

 

 

 

Q: 特定空家に認定された空き家でも買取業者に売却できますか?

 

A: 特定空家に認定された空き家でも、買取業者への売却は可能です。当社でも特定空家の買取実績がございます。

 

 

ただし、勧告を受けた後は固定資産税の住宅用地特例が解除されるため、勧告前に売却した方が税負担の面で有利です。認定後は買取価格も下がる傾向があるため、早めのご相談をおすすめします。

 

 

 

Q: 行政から勧告の通知が届きましたが、代執行までどのくらい猶予がありますか?

 

A: 勧告の次の段階である「命令」までは、一般的に数か月の猶予があります。命令から代執行までもさらに数か月〜1年程度の期間を要することが多いです。

 

 

ただし、倒壊の危険が切迫している場合や、札幌では冬季の積雪リスクが高い場合は、短期間で進行することもあります。勧告を受けた段階で速やかに売却や解体の手続きを始めることが重要です。

 

 

 

Q: 相続した札幌の空き家が遠方にあり管理できません。代執行を避けるにはどうすればよいですか?

 

A: 遠方からの管理が難しい場合は、買取業者への売却で管理義務ごと手放す方法が現実的です。当社では来札不要で買取手続きを完了できる体制を整えております。

 

 

まずは相続登記を済ませ、その後オンラインや郵送で売却手続きを進められます。最短1〜2週間で契約・決済まで完了できるため、行政代執行のリスクを早期に解消できます。

 

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