土地買取と相続税物納の手続き流れ
2026年08月05日
土地買取と相続税物納の手続き流れ
相続した土地の相続税が払えず、物納を検討されている方は少なくありません。しかし物納には厳しい要件があり、申請が却下されるケースも多いのが実情です。
この記事では、土地の物納手続きの流れと、買取売却との手取り額比較を具体的な数値で解説します。「物納と買取、どちらが有利か」を判断するための材料をお伝えします。
相続税の物納制度とは?基本の仕組みを解説
物納とは、相続税を現金ではなく相続財産そのもので納付する制度です。金銭での一括納付が困難で、延納でも支払えない場合に限り認められます。
物納できる財産には優先順位があり、土地は「第1順位」に該当します。ただし、どんな土地でも物納できるわけではありません。
物納が認められるには、以下の要件をすべて満たす必要があります。
金銭納付が困難であること:現金・預貯金での一括納付ができず、延納でも支払えないことが前提
物納適格財産であること:境界が確定しており、担保権や争訟がない土地であること
管理処分不適格財産に該当しないこと:抵当権付き・共有名義・土壌汚染地などは原則として物納不可
申請期限内に手続きすること:相続税の申告期限(相続開始から10ヶ月以内)までに物納申請書を提出
物納の収納価額は相続税評価額(路線価ベース)で算定されます。実勢価格(市場で売れる価格)とは異なるため、この乖離が物納を選ぶかどうかの重要な判断ポイントになります。
物納の手続きと流れ|申請から完了までのスケジュール
物納申請には多くの書類と準備が必要です。相続税の申告期限から逆算してスケジュールを立てることが重要です。
STEP1:物納申請書の提出:相続税申告期限までに税務署へ提出。物納手続関係書類も同時に準備
STEP2:書類の補完:税務署から補完要求が出た場合、原則として20日以内に対応。最大3回まで延長可能
STEP3:境界確定・測量:隣地所有者との境界確認、測量図の作成が求められる。費用は30万〜80万円程度
STEP4:審査期間:税務署の審査に通常3ヶ月〜1年程度かかる
STEP5:許可または却下:許可されれば土地の所有権が国に移転し、相続税に充当される
申請から完了まで、一般的に6ヶ月〜1年以上かかるケースが多いです。この間、土地の管理義務はお客様に残ります。
札幌・北海道の広大な土地の場合、境界確定だけで数ヶ月を要することも珍しくありません。冬季は積雪のため測量作業が困難になり、スケジュールがさらに延びる点にも注意が必要です。
物納が却下・撤回されるケースと対処法
物納申請は一定の割合で却下されています。却下された場合の対処法まで知っておくことが、リスク管理の観点から大切です。
物納が却下される主な理由は以下の通りです。
管理処分不適格財産:境界が未確定、抵当権が設定されている、共有名義である場合
書類の不備・期限超過:補完書類の提出が期限内に間に合わなかった場合
物納劣後財産への該当:市街化調整区域の土地や、接道条件を満たさない土地
維持管理の瑕疵:申請中に土地の管理が不十分と判断された場合
道内では農地や山林などの広大な相続土地で、物納申請が認められないケースが多く見られます。特に市街地エリアから離れた土地は、国が管理する合理性が低いと判断されやすい傾向にあります。
却下された場合、却下通知を受けた翌日から1ヶ月以内に金銭で納付する必要があります。この期限は非常に短いため、却下リスクを見越して並行して売却の準備を進めておくことが実務上の鉄則です。
当社では物納申請中の土地についてもご相談を承っております。却下に備えた買取査定を事前に取得しておくことで、期限内の納税に対応できます。物件別買取メニューから対象の土地種別をご確認ください。
収納価額 vs 買取価格|手取り額のシミュレーション比較
物納と買取売却のどちらが有利かは、「収納価額」と「買取価格」の差で決まります。具体的な計算例で比較してみましょう。
【シミュレーション条件】
札幌市内の住宅地、面積200㎡
路線価:1㎡あたり10万円(相続税評価額=収納価額:2,000万円)
実勢価格の目安:路線価の約1.2〜1.4倍(2,400万〜2,800万円)
買取価格:実勢価格の約70〜80%(1,680万〜2,240万円)
【物納の場合】
収納価額2,000万円がそのまま相続税に充当されます。ただし、物納申請にかかる測量費30万〜80万円、申請中の管理費用(除草・清掃など年間10万〜30万円)は自己負担です。
実質的な手取り効果は約1,900万〜1,960万円相当となります。
【買取売却の場合】
買取価格2,000万円で売却できた場合、譲渡所得税・仲介手数料等の諸費用を差し引いても約1,800万〜1,900万円が手元に残ります。当社のような直接買取であれば仲介手数料は不要です。
さらに、相続税の取得費加算の特例(相続開始から3年10ヶ月以内の売却)を活用すれば、譲渡所得税を大幅に圧縮できるケースもあります。
路線価と実勢価格の乖離が大きい地下鉄沿線やJR沿線の住宅地では、買取売却のほうが手取り額で有利になることが多いです。逆に、実勢価格が路線価を下回るような過疎地や市街化調整区域の土地では、物納のほうが有利になる可能性があります。
物納申請中の土地管理義務と費用負担
物納申請中であっても、土地の所有権はお客様にあります。国に引き渡すまでの間、適切な管理義務が課されている点は見落とされがちです。
申請中に必要な管理作業と費用の目安は以下の通りです。
境界確定・測量:30万〜80万円(隣地が多いほど高額に)
除草・清掃:年間5万〜15万円(札幌では短い夏に集中して繁茂するため複数回必要)
降雪期の管理:積雪による隣地への影響防止、倒木リスクの管理など年間5万〜15万円
不法投棄対策:看板設置やフェンス設置で5万〜20万円
北海道特有の問題として、冬季の管理コストが本州に比べて高くなる傾向があります。広大な山林や農地を相続した場合、管理費用だけで年間数十万円に達することもあります。
審査期間が長引けばその分管理費用がかさみます。物納が認められるかどうか不透明な段階で管理費用を負担し続けるリスクを考慮すると、早期の買取売却で現金化し、相続税を納付するほうが合理的なケースは少なくありません。
札幌・北海道の相続土地における2026年の市場動向
2026年の札幌の不動産市場は、エリアによって動向が大きく異なっています。相続土地の処分を検討する際は、地域ごとの傾向を把握しておくことが重要です。
地下鉄沿線の住宅地:堅調な需要が続き、路線価と実勢価格の乖離率は1.3〜1.5倍程度。買取売却が有利になりやすいエリア
JR沿線の郊外エリア:新幹線延伸の影響もあり、一部で地価が上昇傾向。実勢価格が路線価を上回るケースが増加
市街化調整区域・農村部:需要が限られ、実勢価格が路線価を下回ることも。物納が選択肢に入りやすいエリア
道内全体で見ると、2026年の公示地価は札幌市街地エリアで前年比約2〜4%の上昇を記録しています。一方で郊外や地方部では横ばいまたは微減の傾向です。
当社はこうした札幌の地域特性を熟知した上で、最短翌日のスピード査定に対応しております。相続税の納付期限が迫っている場合でも、迅速なお手続きが可能です。会社概要・実績もあわせてご覧ください。
失敗しないための判断ポイント|物納か買取かの選び方
物納と買取売却、どちらを選ぶべきかは土地の条件と状況によって異なります。以下のチェックポイントで判断の目安をつかんでください。
【買取売却が有利になるケース】
路線価より実勢価格が20%以上高い立地(地下鉄沿線・JR沿線など)
境界が未確定で、確定費用が高額になりそうな土地
共有名義や抵当権が設定されており、物納の要件を満たしにくい土地
相続税の申告期限まで残り3ヶ月を切っているなど、時間的余裕がない場合
管理が困難な遠方の土地や広大な山林
【物納が検討に値するケース】
実勢価格が路線価と同水準、または下回る土地
境界確定済みで、物納適格財産の要件を満たしている土地
買い手が見つかりにくい立地で、売却に長期間を要する見込みの土地
土地買取と相続税物納の手続きの流れを把握した上で、どちらが手取り額で有利かを比較検討することが、後悔しない選択につながります。
当社では、物納を検討されているお客様にも買取査定額をご提示し、比較材料としてお使いいただいております。査定は無料で、売却を強制することはありません。
よくある質問
Q: 相続した土地を物納する場合、申請から完了までどれくらいの期間がかかりますか?
A: 一般的に6ヶ月〜1年以上かかるケースが多いです。境界確定や測量、税務署の審査に時間を要します。
特に北海道では冬季の測量が困難なため、申請時期によってはさらに長期化する場合があります。一方、買取売却であれば最短1〜2週間で現金化が可能です。
Q: 物納申請が却下された場合、相続税の納付期限はどうなりますか?
A: 却下通知を受けた翌日から1ヶ月以内に金銭で相続税を納付する必要があります。延滞税が加算されるリスクもあるため、期限管理が重要です。
却下に備え、事前に買取査定を取得しておくことをおすすめします。当社では最短翌日でのスピード査定に対応しております。
Q: 物納と土地の買取売却では、最終的な手取り額にどれくらい差が出ますか?
A: 路線価と実勢価格の乖離度合いによります。札幌市街地エリアでは実勢価格が路線価の1.3〜1.5倍になることが多く、買取売却のほうが有利になるケースが多いです。
ただし諸費用や税制特例の適用可否によっても変わりますので、個別のシミュレーションをお勧めします。無料査定はこちらからお気軽にご相談ください。
Q: 共有名義の土地や抵当権が付いた土地でも物納は可能ですか?
A: 共有名義の土地は、共有者全員の持分を一括で物納する場合を除き、原則として物納は認められません。抵当権が設定されている土地も管理処分不適格財産に該当します。
こうした土地は物納が難しい一方、買取であれば対応可能な場合があります。当社は権利関係が複雑な土地の買取実績も豊富ですので、まずはご相談ください。
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