全室賃借中マンションの買取売却ガイド

2026年06月29日

全室賃借中マンションの買取売却ガイド

「入居者が全室いるけれど、このまま売却できるのだろうか」とお悩みではありませんか。全室賃借中のマンションは、買取という方法を選ぶことで立退き交渉なしでスムーズに売却できます。

 

 

本記事では、オーナーチェンジ買取の仕組みから収益還元法による価格算出、空室化との手取り比較まで、2026年の札幌市場データを交えて詳しく解説します。

 

 

 

全室賃借中のマンションは売却できるのか

 

結論から申し上げると、全室に賃借人がいるマンションでもそのまま売却できます。この方法が「オーナーチェンジ」と呼ばれる取引形態です。

 

 

 

オーナーチェンジ物件として売却する仕組み

 

オーナーチェンジとは、賃貸借契約をそのまま引き継ぐ形で物件の所有権だけを移転する取引です。入居者から見れば家賃の振込先が変わるだけで、生活には影響がありません。

 

 

買取業者が直接購入する場合、一般的な仲介売却と異なり、以下のメリットがあります。

仲介手数料が不要:売主から直接買い取るため、数百万円単位の手数料が発生しない

買主探しの期間がゼロ:業者自身が買主となるため、市場に出す必要がない

契約不適合責任の免除:多くの買取業者はプロとしてリスクを引き受けるため、売主の負担が軽減される

 

 

 

立退き交渉が不要な買取の基本的な流れ

 

全室賃借中のマンションを買取に出す場合、売却の流れは以下のとおりです。

買取業者への査定依頼(レントロール・賃貸借契約書の提出)

収益還元法などによる買取価格の提示(最短で翌日に回答可能な業者もあり)

売買契約の締結(入居者への事前同意は原則不要)

決済・所有権移転登記

入居者への賃貸人変更通知の送付

賃借人への通知は売買完了後に行うのが一般的です。法的には賃借人の同意がなくてもオーナー変更は有効であり、この点が全室賃借中マンションの買取売却における大きなメリットといえます。

 

 

 

収益還元法で見る買取価格の算出ロジック

 

全室賃借中のマンションでは、収益還元法が査定の基本となります。物件そのものの築年数や広さだけでなく、「いくら稼いでいるか」が価格に直結します。

 

 

 

表面利回りと実質利回りから逆算する査定の考え方

 

収益還元法では、年間の賃料収入を期待利回りで割り戻して物件価格を算出します。計算式は以下のとおりです。

 

 

物件価格 = 年間純収益 ÷ 期待利回り

 

 

たとえば年間家賃収入が600万円、管理費・修繕積立金・固定資産税などの経費が年間120万円の場合、純収益は480万円となります。札幌の投資用マンションにおける期待利回りが表面6〜8%程度とされる2026年現在、実質利回り7%で計算すると物件価格は約6,857万円と算出されます。

 

 

 

満室稼働が買取価格を押し上げる具体的な計算例

 

ここで、全10戸のマンションを例に具体的な数値シミュレーションを見てみましょう。

 

 

【条件】1戸あたり家賃5万円、全10戸、年間経費120万円、期待利回り7%

全室満室(稼働率100%)の場合:年間家賃収入600万円 → 純収益480万円 → 買取価格 約6,857万円

2戸空室(稼働率80%)の場合:年間家賃収入480万円 → 純収益360万円 → 買取価格 約5,142万円

稼働率が20%下がるだけで、買取価格は約1,700万円もの差が生じます。全室賃借中という状態は、収益の安定性を証明するエビデンスとなり、査定において非常に有利に働きます。

 

 

さらに、満室物件は買取業者にとっても購入後すぐに家賃収入を得られるため、空室リスクを織り込む必要がなく、結果的に高い買取価格を提示しやすくなります。

 

 

 

空室化して売る場合との手取り比較シミュレーション

 

「入居者に退去してもらってから売却した方が高く売れるのでは」と考えるお客様もいらっしゃいます。しかし、実際に空室化するには多額のコストと時間がかかります。

 

 

 

立退き費用・空室期間のコストを含めた実質手取り額

 

全10戸を空室にして居住用として売却するケースと、満室のまま買取に出すケースを比較してみましょう。

 

 

【空室化して仲介売却する場合】

想定売却価格:8,000万円(居住用としての市場価格)

立退き交渉費用:1戸あたり家賃6ヶ月分 × 10戸 = ▲300万円

空室期間の逸失家賃(平均8ヶ月):▲400万円

仲介手数料(3% + 6万円 + 税):▲約270万円

リフォーム費用(原状回復):▲200万円

実質手取り額:約6,830万円

【全室満室のまま買取に出す場合】

買取価格:6,857万円(前述の収益還元法による算出)

仲介手数料:0円(直接買取のため不要)

立退き費用:0円

実質手取り額:約6,857万円

 

 

 

満室のまま買取に出す方が有利になる条件

 

このシミュレーションでは、空室化して高く売る場合と満室のまま買取に出す場合で、手取り額がほぼ同額という結果になりました。立退き交渉の精神的負担や8ヶ月以上の売却期間を考慮すると、満室のまま買取に出す方が合理的なケースは多いといえます。

 

 

特に以下の条件に当てはまる場合は、満室買取の優位性がさらに高まります。

築年数が古く、空室にしてもリフォーム費用が高額になる物件

普通借家契約の入居者が多く、立退き交渉が長期化する可能性がある物件

相続や資金調達など、売却を急ぐ事情がある場合

札幌の市街地エリアにあり、投資需要が安定している立地

当社では、全室賃借中マンションの買取査定を無料でお受けしております。物件種別ごとの買取メニューはこちらからご確認ください。

 

 

 

賃貸借契約の種類が売却難易度に与える影響

 

全室賃借中マンションの売却において、入居者との賃貸借契約の種類は買取価格や売却のしやすさに影響を与える重要な要素です。

 

 

 

普通借家と定期借家で変わる買取価格の評価

 

賃貸借契約には主に「普通借家契約」と「定期借家契約」の2種類があります。それぞれの特徴と買取における評価の違いは以下のとおりです。

普通借家契約:借主の居住権が強く保護され、正当事由がなければ更新を拒否できない。入居が安定する反面、将来的に空室化したい場合のハードルが高いため、買取業者によっては評価がやや保守的になる

定期借家契約:契約期間の満了で確実に終了するため、将来の出口戦略を立てやすい。買取業者にとっては柔軟性が高く、査定でプラス評価されることが多い

ただし、全室満室で安定的に家賃収入が得られている状態であれば、契約種別にかかわらず高評価を受けるケースが一般的です。

 

 

 

サブリース契約付き物件の売却における注意点

 

サブリース(転貸借)契約が付いたマンションでも買取は可能です。ただし、通常のオーナーチェンジとは異なる確認事項があります。

サブリース契約の残存期間と解約条件の確認

保証賃料の水準と実際の入居率との乖離

サブリース会社の信用力と経営状況

契約上のオーナー変更に関する制限条項の有無

サブリース契約の内容によっては買取価格に10〜20%程度の影響が出る場合もあるため、査定依頼時に契約書を準備しておくことをおすすめします。

 

 

 

札幌の投資用マンション市場と満室物件の希少性

 

札幌の不動産市場には、道内特有の事情が買取価格に影響を与えます。全室満室の物件がなぜ札幌で高く評価されるのか、その背景を解説します。

 

 

 

札幌の利回り相場と冬季空室リスクの実態

 

2026年現在、札幌の投資用マンションの表面利回りは平均6〜8%で推移しています。これは東京(3〜5%)や大阪(4〜6%)と比較して高い水準であり、投資家にとって魅力的な市場です。

 

 

一方で、北海道特有のリスクとして冬季の空室問題があります。11月から3月にかけては転勤・引越し需要が低下するため、一度空室が発生すると平均3〜5ヶ月は次の入居者が決まりにくい傾向にあります。

 

 

地下鉄沿線やJR沿線の駅徒歩圏内であっても、冬季の入居付けには苦労するオーナー様が少なくありません。こうした事情が、札幌における満室物件の希少性を高めています。

 

 

 

全室満室の安定収益物件が高評価される市場構造

 

札幌の投資用マンション市場では、以下の理由から全室満室の物件が特に高く評価されます。

冬季空室リスクがゼロである安心感が買取業者の積極的な価格提示につながる

道内の賃貸需要は市街地エリアに集中しており、満室実績のある物件は立地の良さを裏付ける証拠になる

札幌は2026年も再開発が続いており、地下鉄沿線を中心に地価が上昇傾向にある

北海道新幹線の延伸計画による将来的な資産価値向上への期待

このように、札幌において全室賃借中のマンションは買取市場で高い競争力を持っています。札幌での買取実績についてもあわせてご覧ください。

 

 

 

オーナーチェンジ買取に対応できる業者の選び方

 

全室賃借中マンションの買取を依頼する際は、オーナーチェンジ物件に精通した業者を選ぶことが重要です。対応できる業者は決して多くありません。

 

 

 

対応業者が少ない理由と見極めのポイント

 

オーナーチェンジ買取に対応する業者が限られる理由は、以下の専門性が求められるためです。

収益還元法による適正価格の算出能力が必要

賃貸借契約の法的リスク判断ができる専門知識が求められる

購入後の賃貸管理体制(入居者対応・修繕対応)を自社で持つ必要がある

満室物件を購入できるだけの即金での資金力が不可欠

一般的な不動産買取業者は居住用物件の転売を主力としており、賃貸中物件の取り扱い経験が乏しいケースが少なくありません。

 

 

 

査定時に確認すべき3つの質問

 

買取業者を選定する際には、以下の3つの質問をすることで対応力を見極められます。

「オーナーチェンジ物件の買取実績は年間何件ですか」:実績件数が具体的に出てくる業者は信頼性が高い

「収益還元法での査定書を出していただけますか」:査定ロジックを書面で示せる業者は査定に自信がある証拠

「決済までの最短日数はどのくらいですか」:即金対応が可能な業者は自己資金が潤沢で取引の確実性が高い

当社では全室賃借中のマンション買取に豊富な経験を持ち、最短3日での決済にも対応しております。まずはお気軽に無料査定のご相談はこちらからお問い合わせください。

 

 

 

よくある質問

 

 

 

Q: 全室に入居者がいるマンションでも、立退き交渉なしでそのまま売却できますか?

 

A: はい、買取であればオーナーチェンジとして売却できるため、立退き交渉は一切不要です。賃貸借契約はそのまま新しいオーナーに引き継がれます。

 

 

入居者の生活には影響がなく、売主様にとっても立退き費用や空室リスクを負わずに済む合理的な売却方法です。

 

 

 

Q: 賃借人がいるオーナーチェンジ物件の買取価格は、空室の場合と比べてどのくらい変わりますか?

 

A: 収益還元法で査定する場合、全室満室の物件は安定した家賃収入が見込めるため、空室がある物件よりも高く評価されるケースが多くあります。

 

 

前述のシミュレーション例では、稼働率80%と100%で約1,700万円の差が生じました。満室はむしろ価格面で有利に働く要素です。

 

 

 

Q: 全室賃借中のマンションを売却する際、入居者への事前通知や同意は必要ですか?

 

A: 法的には、オーナー変更について入居者の事前同意は一般的に不要とされています。売買完了後に「賃貸人変更通知書」を送付する形で対応するのが通常の実務です。

 

 

通知書には新しいオーナーの情報と家賃振込先の変更を記載し、入居者に書面でお知らせします。

 

 

 

Q: サブリース契約が付いたままのマンションでも買取してもらえますか?

 

A: 多くの場合、サブリース契約付きでも買取は可能です。ただし、契約内容によっては買取価格に影響が出ることがあります。

 

 

サブリース会社との契約書をご準備いただければ、契約条件を踏まえた正確な査定額をご提示できます。まずは契約内容を確認させていただくところから始めましょう。

 

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