相続した土地が売れない場合の買取方法
2026年06月04日
相続した土地が売れない場合の買取方法
相続した土地を売ろうとしたが、買い手が見つからないというお悩みをお持ちではないでしょうか。
特に北海道・札幌では、市街化調整区域や農振農用地、原野として相続されるケースが多く、一般市場での売却が難しい土地が多く存在します。
本記事では、相続した土地が売れない主な原因を5類型に整理し、買取という解決方法を中心に、国庫帰属制度との比較や税務処理まで詳しく解説します。
相続した土地が売れない5つの原因と買取可否の判断基準
一口に「売れない土地」といっても、その原因はさまざまです。原因を正確に把握することが、適切な解決策を選ぶ第一歩になります。
原因別チェック:接道・農地・市街化調整・共有持分・境界未確定
当社が実際にご相談をお受けする中で、相続した土地が売れない原因は大きく以下の5類型に分類できます。
接道不良:建築基準法上の接道義務(幅員4m以上の道路に2m以上接すること)を満たさない土地。一般市場での売却は困難ですが、隣地との一体取得や再建築不要用途での活用を前提に、買取可能なケースがあります。
農地(田・畑):登記地目が「田」または「畑」の場合、売却には農業委員会の農地転用許可が必要です。転用許可の見通しが立てば、買取対応が可能です。
市街化調整区域・農振農用地:開発行為が制限される区域で、用途変更の難易度が高い傾向があります。専門業者への買取依頼が現実的な選択肢です。
共有持分:相続によって複数の相続人が共有する状態になった土地。全員の同意がなければ売却できませんが、共有持分のみの買取に対応する業者もあります。
境界未確定:隣地との境界が確定していない土地は、一般市場での売却が困難です。測量費用をかけずに買取できる業者に依頼する方法が有効です。
類型ごとに買取業者が判断するポイント
各類型について、当社のような買取専門業者は「利活用の可能性」と「将来的なコスト」を総合的に評価します。
接道不良の土地であれば隣地との合筆可能性、農地であれば転用許可の見込み、調整区域であれば既存建物の有無などが判断基準になります。
いずれの類型でも、まず無料査定で買取可否を確認することが最短ルートです。
買取・国庫帰属制度・寄付:3つの選択肢を比較して最適解を選ぶ
相続した土地が売れない場合の解決方法は、買取業者への売却だけではありません。2023年4月に施行された「相続土地国庫帰属制度」も含め、3つの選択肢を比較します。
2023年施行「相続土地国庫帰属制度」の要件・費用・デメリット
相続土地国庫帰属制度は、相続または遺贈によって取得した土地を、一定の要件を満たす場合に国(法務局)に引き取ってもらえる制度です。
ただし、利用にあたっては以下の条件と費用が伴います。
申請できるのは相続または遺贈で取得した土地のみ(購入した土地は対象外)
建物がある土地、担保権が設定された土地、一定の汚染がある土地などは対象外
申請時に審査手数料として1万4,000円が必要
承認後は10年分の管理費用相当額(宅地の場合は原則20万円)を負担金として納付する必要がある
審査から承認まで数か月〜1年以上かかるケースもある
買取売却・国庫帰属・自治体寄付の3択比較表
3つの手段を主要な観点で比較すると、以下のとおりです。
買取業者への売却:売却代金が得られる。手続き期間は最短数日〜数週間。農地・調整区域・原野も対応可能な業者あり。費用負担なし。
相続土地国庫帰属制度:売却代金は得られない(負担金あり)。審査期間が長く、要件が厳しい。更地・農地(一定条件)に対応。手続きは法務局経由。
自治体への寄付:受け入れに積極的でない自治体が多く、断られるケースが大半。公共性が認められる土地のみ対象。売却代金なし。
現金化を優先するお客様、または早期解決を希望するお客様には、買取業者への依頼が最も実用的な選択肢といえます。
国庫帰属制度は「手放せれば収入はいらない」という場合に検討する価値がありますが、要件の厳しさと費用負担を踏まえると、まず買取を検討することをお勧めします。
札幌・北海道特有の「売れない土地」問題と早期買取が得な理由
道内では、本州と比較して売却困難な土地が相続されるケースが特に多い傾向にあります。その背景と、放置することのリスクを具体的な数字で示します。
市街化調整区域・農振農用地・原野の相続が多い北海道の実情
道内では、農業振興地域の農用地区域(農振農用地)に指定された土地や、山林・原野として相続されるケースが多く見られます。
農振農用地は農業振興地域整備法による規制を受けており、用途変更(農振除外)の手続きには自治体への申請が必要です。
除外が認められるまで数年かかるケースもあり、その間は売却も活用もできない状態が続きます。
また、山林・原野は農地法の対象外であり農地転用許可は不要ですが、活用用途の乏しさから一般市場での売却はほぼ見込めません。
JR沿線・地下鉄沿線から遠い立地、市街地エリア外の土地であるほど、需要が低く買い手が見つかりにくい傾向が強まります。
こうした土地こそ、北海道の相続不動産を多数取り扱う買取専門業者への相談が有効です。
除雪費用・凍結リスク・固定資産税が積み上がる放置コストの試算
北海道の土地を放置した場合、維持コストが年々積み上がります。2026年現在の相場感を踏まえた試算を示します。
除雪費用:更地や私道がある土地では、年間5万〜15万円の除雪費用が発生することがあります(道内業者の一般的な相場)
固定資産税:地目・評価額によりますが、宅地であれば年間数万円〜数十万円の負担が継続します
凍結・融雪による建物リスク:建物が残っている場合、凍結による水道管破裂や屋根への積雪荷重による倒壊リスクがあり、修繕費は数十万〜数百万円に達する可能性があります
不法投棄・草木繁茂:管理が行き届かない土地は不法投棄の温床になりやすく、撤去費用が所有者負担となるケースがあります
5年間放置すると、除雪費用だけでも最大75万円の累積コストになり得ます。
早期に買取依頼をすることで、これらのコストをまとめて断ち切ることができます。
不動産買取の仕組みと価格査定の根拠・交渉ポイント
「買取価格が安い」と感じるお客様は多いですが、査定の根拠を理解することで、納得感を持って判断できるようになります。
買取価格はどう決まるか:査定の4要素
当社を含む買取業者が査定額を算出する際には、主に以下の4要素を総合的に評価します。
立地・利便性:JR沿線・地下鉄沿線からの距離、市街地エリアへのアクセス、周辺施設との位置関係
土地の形状・面積:間口・奥行き・整形度・有効宅地化できる面積の割合
法規制・地目:市街化区域か調整区域か、農振農用地か否か、田・畑の場合は転用見込みの難易度
市場性・流動性:周辺の成約事例、住宅・駐車場・資材置き場等として需要のある用途の可能性
査定額に納得するための確認事項と値上げ交渉の実践ポイント
査定を受けた際に確認すべき点と、価格交渉に使えるポイントを以下に示します。
「なぜその価格になったか」を根拠とともに説明してもらう(立地・法規制・市場性の3点を必ず確認)
周辺の公示地価・路線価との比較を求める(大幅な乖離があれば理由を確認)
複数社に見積もりを依頼し、査定額の差異とその理由を比較する
売却を急いでいない場合は、その旨を伝えることで交渉余地が生まれるケースがある
境界確定や地目変更など、売主側でできる整備を行うことで査定額が上がることがある
買取依頼から売却完了までの流れ・必要書類
「相続した土地の買取依頼をしたいが、手続きが複雑そう」と感じるお客様も多いかと存じます。実際の流れをわかりやすくご説明します。
相続登記が済んでいない場合でも動ける?登記状況別の手続きフロー
2024年4月から相続登記が義務化されましたが、現時点で登記が済んでいない土地でも、当社への買取相談は可能です。
ただし、売買契約・決済を進めるには最終的に相続登記の完了が必要になります。
当社では登記手続きと買取手続きの並行サポートが可能ですので、登記未了でもまずご相談ください。
査定申込〜契約〜決済までの標準スケジュール
標準的な手続きの流れは以下のとおりです。
無料査定依頼(電話・メール・Webフォーム)→ 当社より最短翌日にご回答
現地確認・詳細査定(必要に応じて)→ 価格提示・条件確認
売買契約の締結→ 重要事項説明・契約書への署名捺印
相続登記の完了(未了の場合)→ 司法書士に依頼(費用は案件による)
決済・所有権移転→ 売却代金の支払い(現金決済・即金対応が可能)
書類が揃っている場合、査定から決済まで最短2〜4週間で完了するケースもあります。
準備いただく主な書類は以下のとおりです。
登記事項証明書(法務局で取得)
公図・地積測量図(法務局で取得)
固定資産税評価証明書(市区町村で取得)
遺産分割協議書(相続の場合)
印鑑証明書・身分証明書
買取成立後の確定申告・譲渡所得税を具体的な計算例で解説
買取が成立した後に気になるのが税務処理です。相続した土地が売れない状況での買取方法を選んだ後、多くのお客様が「税金はいくらかかるのか」と不安を感じます。
競合記事ではほぼ触れられていないこの点を、具体的な計算例とともに解説します。
譲渡所得の計算式:取得費・譲渡費用・特別控除の考え方
土地の売却益には原則として譲渡所得税がかかります。計算の基本式は以下のとおりです。
譲渡所得 = 売却価格 ー 取得費 ー 譲渡費用
取得費:相続で取得した土地は、被相続人(亡くなった方)が取得したときの価格を引き継ぐのが原則です(取得費の引き継ぎ)
取得費が不明な場合は、売却価格の5%を概算取得費として使用できます
譲渡費用:仲介手数料・測量費・売買契約書の印紙代などが含まれます。買取の場合は仲介手数料がゼロになるため費用を抑えられます
相続取得した土地特有の「取得費の引き継ぎ」と申告期限
相続で取得した土地の所有期間は、被相続人が取得した時点からカウントされます。そのため多くの場合、5年超の長期譲渡所得として取り扱われます。
以下に具体的な計算例を示します(あくまで目安です。詳細は税理士にご確認ください)。
売却価格:500万円
取得費:被相続人の購入価格が不明なため概算取得費5%=25万円
譲渡費用:測量費等10万円
譲渡所得:500万円 ー 25万円 ー 10万円 = 465万円
税率(所有期間5年超・長期譲渡所得):所得税15%+住民税5%=計20%
概算税額:465万円 × 20% = 約93万円
申告期限は、売却した翌年の2月16日〜3月15日の確定申告期間です。
取得費の計算は複雑なケースも多いため、一般的には専門の税理士への相談をお勧めします。
よくある質問
Q: 農地・原野として相続した土地でも買取してもらえますか?
A: 農地(田・畑として登記された土地)の場合は、農業委員会への農地転用許可の取得が前提となりますが、転用見込みを含めて当社で事前確認することが可能です。
山林・原野は農地法の対象外のため農地転用許可は不要ですが、地目変更登記が必要になるケースがあります。いずれの場合も、まずお気軽にご相談ください。
Q: 相続登記が済んでいない土地でも買取依頼できますか?
A: 登記未了の状態でもご相談・査定は受け付けております。ただし、売買契約・決済を進めるにあたって相続登記の完了が必要となります。
当社では登記手続きの進め方についてもご案内できますので、登記が済んでいない段階でも遠慮なくお問い合わせください。
Q: 相続土地国庫帰属制度と買取業者への売却、どちらが有利ですか?
A: 「売却代金を得たい」「早期に解決したい」場合は買取業者への売却が有利です。国庫帰属制度では収入は得られず、宅地の場合は原則20万円の負担金も発生します。
「費用を払ってでも手放したい」「審査期間が長くてもよい」場合は国庫帰属制度も選択肢に入りますが、要件の厳しさと審査期間の長さを踏まえると、まず買取を検討することをお勧めします。
Q: 買取成立後に確定申告は必要ですか?譲渡所得税の目安は?
A: 一般的に、土地を売却して利益が出た場合は確定申告が必要です。相続で取得した土地の取得費は被相続人の取得価格を引き継ぐため、取得費が低いと譲渡所得が大きくなるケースがあります。
所有期間5年超の場合の税率は、多くの場合で譲渡所得の約20%(所得税15%+住民税5%)が目安です。詳細は税理士にご相談ください。
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